PEACE PLEASE! ON THE MOVE
空疎な平和 ジョージ・オーウェルの小説『1984』では、全ては、「戦争は平和である 1」 というス ローガンを掲げ、全体主義的な統治を行う政党の支配下にある。 その世界では、平和と は常に望ましく、目指すべき理想的な状態とされているが、 決してそれが実現されるこ とはない。戦争と平和というこの相反するものは、 なんの矛盾もなく、常に同時に存在 することができる。例えばテロに対する闘いを考えてみれば、 平和な状況にあっても軍 備は投入され、また戦争が、人道支援として妥当な手段と見なされる(軍事的人文主義)。